ふと目にした一冊「大河ドラマ入門」、読了。
私が大河ドラマを見始めたのは、香取慎吾くん主演の「新選組!」からで、その後ずっと見続けたわけではないけど、何本か見ています。
著者の小谷野敦(こやのとん)さんは、小学生のときから大河ドラマに興味を持ち、途中、見ていない期間はありつつも、近代物を除いてはほぼ見ている方のようです。
原作、脚本、音楽、キャスティング、時代考証まで幅広い知識をお持ち。
それゆえ、かなり手厳しいご意見もありです。私たちが「好きだ」と思って見ていたドラマに辛口意見をいただいたりすればちょっとがっかりもしますが、ドラマなんていろいろな見方があるもの(ドラマ以外でもね)。もちろん「そうですよね」とうなずける部分もたくさん。
大河ドラマの原作
翔ぶが如く
2018年大河ドラマ「西郷どん」(現時点では最終回まで見ていないのですが……)、島津久光が登場しますが、「翔ぶが如く」(1990年)では
(前略)島津久光を描いた短編「きつね馬」(『酔って候』文春文庫所収)をタイトルバックに掲げていたが
14ページ
とあったので、その本にも興味を持ちました。
大河ドラマのキャスティング
黄金の日日
オリジナル脚本の大河ドラマも幾つかあるようで、「黄金の日日」が挙げられていました。これは三谷幸喜さんが大好きだというあれでは?
獅子の時代
「獅子の時代」は大佛次郎の戯曲を原作、鈴木尚之が脚本というものだそうで、幕末を舞台とした架空の三姉妹と架空の武士を描いたものだとか。著者も見ていないそうです。
でも「獅子の時代」は加藤剛演じる薩摩藩武士が出てくるそうなので、機会あれば見ていたい。データはあるのかなあ。
「石光真清の手記」(中央文庫『城下の人』など4冊)を原案にしているとも言われているそうです。読めるかな。
大河ドラマのキャスティング
織豊時代を扱ったドラマは多く
46ページ
という言葉で、織豊(しょくほう)=織田・豊臣かと初めて知りました。
確かにドラマ歴が少ない私でも、あの時代の方々が出ているドラマを見ることは多く、誰が誰だかわからなくなっています。
大河で出世した西田と石坂
とありましたが、確かに今でも時代劇に限らずあらゆる方面でご活躍中なので、私も目にする機会が多いです。それぞれ出演作は多いので、本書をごらんになっていただくなりしていただくとして……。
そのほかの大河常連たち
の項で山口崇さんのお名前がありました。私は山口さんというと、「大岡越前」の徳川吉宗役が好きだったのですが、大河ドラマにも多数出られていたとは知りませんでした。
昨年リメイクされた「鳴門秘帖」の1977年版に平賀源内役で登場していたというのを知り、これも見てみたい。その前に「天下御免」(1971年)に主役の平賀源内役で出ているなんて、こっちも見てみたい。その後、別のドラマにも源内役で出たとかで、見てみたいけど、映像はなさそうだなあ。
大河で演じられた徳川将軍を列挙
これだけドラマが多ければ、徳川将軍を演じた方々も多かろう……。
徳川家キャスティング(足利義昭含む)
116ページ
に秀忠以降の表をまとめられているのだけど、
三枚目感の漂うキャスト表になってしまった
115ページ
とのこと。見ていないものがほとんどだから、私にはわからないのですが。
鈴木瑞穂さんが「徳川家慶」に徳川慶喜役での出演の記載あり。
史実と大河ドラマ
人物を諱で呼ぶのはありえない
150ページ
ということでいろいろ書かれていました。これは「日本人のおなまえっ」だったか(違うかもしれません)で聞いたことがあるような気もします。
「大岡越前」で将軍が大岡越前守を「忠相」と呼ぶのだけど、これはあり得ないと。NHKのドラマ「大岡越前」(東山くんバージョン)でもたしか「忠相」と呼ばれていたはず。
ちょっと話はそれますが、本書に西郷隆盛の弟の西郷従道さんの名前が登場し、「翔ぶが如く」で緒形直人さんが演じていたそうだけど、実際は兄と同じ巨体だったとのこと。通称は慎吾さんで、これは「西郷どん」で錦戸くんも演じていて、同じように巨体ではなかったなあ。
先日見た「小河ドラマ 龍馬がくる」3話で、西郷隆盛の弟がタイムスリップ(タイプスリップしてくるというドラマなんです)してきたのだけど、兄さんと間違えられる体型の方でしたが、あれは正解!なのですね。
などなど、書き切れないほどたくさんのことが書かれていた本書、見ていない大河ドラマがほとんどではあるのだけど、機会あれば見てみたいと思わされるものが多かったです。
映像が残っていないものも多いのでしょうけど。
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